本稿では、弁護士、税理士、司法書士、行政書士の違いについて簡単に説明したうえで、弁護士は紛争解決・紛争予防のプロであることを解説します。
弁護士、税理士、司法書士、行政書士の職務内容
弁護士
弁護士は、法律全般を取り扱う法律の専門家で、仕事で利用する機関は裁判所です。
弁護士は、法律相談を受けたり、代理人として本人の代わりに交渉・調停・裁判を行います。
つまり、弁護士は、法律トラブルを予防・解決するプロです。
税理士
税理士は、税金の事柄を取り扱う税の専門家で、仕事で利用する機関は税務署です。
税理士は、所得税や法人税、消費税、贈与税、相続税などの納税額を算出し、申告納税のサポートを担当します。
つまり、税理士は、税金関係のプロです。
司法書士
司法書士は、登記の事柄を取り扱う登記の専門家で、仕事で利用する機関は法務局です。
司法書士は、不動産の名義変更の登記や会社設立の登記などの申請業務を担当します。
つまり、司法書士は、登記業務のプロです。
行政書士
行政書士は、許認可申請を取り扱う申請の専門家で、仕事で利用する機関は各官公庁です。
行政書士は、建設業許可申請、在留資格の申請などの申請業務を担当します。
つまり、行政書士は、許認可申請のプロです。
弁護士は紛争解決・紛争予防のプロ
近年、予防法務の重要性が認識され始めています。
予防法務とは、法的トラブルを事前に防ぐため、または法的トラブルが発生した際に速やかに対処することができるようにするために、事前に契約書等の準備をしておくことを言います。詳細は法律顧問をご覧ください。
中小企業には顧問税理士、不動産会社にはさらに顧問司法書士がいると思いますが、弁護士以外の士業に予防法務を任せるのは危険です。
具体的に説明すると、もし法律トラブルが発生し、自分で解決ができない場合、どうしたらいいのでしょうか?
そうですね、最終的には裁判をして、どちらの言い分が正しいかについて裁判所に判断してもらうしかありませんね。
この点、皆様ご存知のとおり、裁判を取り扱っている専門家は弁護士です。
つまり、どのような証拠があれば、契約書の内容がどのようになっていれば裁判に勝てるのかなど、裁判での勝ち負けを事前に予測できるのは弁護士だけです。
言い換えれば、弁護士は、このような証拠があれば、契約書の内容がこのようになっていれば法律トラブルは起きなかったと判断することができるので、法律トラブルが発生しない術を熟知しています。
税理士や司法書士、行政書士は、裁判を取り扱ったことがないため、この知見がまったくありません。
弁護士は、法律トラブルが発生した後に裁判で解決をする専門家であると勘違いされやすいですが、法律トラブルを事前に防止するプロでもあります。
予防法務は、税理士や司法書士、行政書士ではなく、弁護士にお任せください。
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[…] 防法務は、税理士や司法書士、行政書士ではなく、弁護士に任せるべき理由については、弁護士、税理士、司法書士、行政書士の違い(予防法務の相談は必ず弁護士へ)をご覧ください。 […]