契約書の作成・チェックの重要性

本稿では、契約書の作成・チェックの重要性について、簡単に解説します。
なお、協力法律事務所では、法律顧問の内容として、契約書の作成・チェックのサービスを提供しています。
詳細は法律顧問をご覧ください。

目次

契約書の作成

契約は当事者間の意思表示の合致によって成立します。そのため、契約の成立には必ずしも契約書は必要ありません。
例えば、スーパーで200円の牛乳を買いたいと思って牛乳をレジに持っていくことは「200円の牛乳を買いたい」という売買契約の申し込みの意思表示となり、店員がその牛乳を200円ですと言って200円を請求することは「200円の牛乳を売ります」という売買契約の承諾の意思表示になります。
つまり、スーパーでの買い物は、売買契約書を作成していなくても、売買契約(民法555条)が成立していることになります。

では、契約書を作成する意義・目的はどこにあるのでしょうか? 
答えは、契約成立の際の当事者間の意思表示の内容を文書に明記することで、トラブルを防止することにあります。
契約書がない場合、①契約は成立していない、②契約はしたが契約条件が違う、などのトラブルが生じます。

具体例を挙げると、
①契約は成立していないケースにおいて、お金の貸し借りの際に金銭消費貸借契約書を作成していなければ、借主から、そのようなお金は借りていない、入金履歴があったとしてもそれは借りたのではなくもらったものだ、だからお金を返す義務はないなどと反論され、トラブルになることや、
②契約はしたが契約条件が違うケースにおいては、業務委託や請負の報酬は50万円だと思っていたが、取引先から30万円しか支払われなかった際に、報酬金額は50万円で契約したと主張しても、いやいや30万円で契約したと反論され、トラブルになります。

そのため、契約の成立には必ずしも契約書の作成は必要ありませんが、契約書を作成すれば契約内容が文書に明記されるため、トラブルを事前に防止することができます。

なお、中国人が契約書(合意書)を作成する際の注意点もご覧ください。

契約書のチェック

契約書は、トラブルを事前に防止するために契約内容を文書に明記するものであるため、詳細かつ明確に作成しなければなりません。契約書を作成したとしても、契約書の内容が不十分であれば、トラブルが発生してしまいます。

契約書に記載する契約内容は多種多様ですが、ここでは法律知識がない素人でも「契約書の内容が不十分であればトラブルが発生すること」が理解できるように、①消費税、②振込手数料、③期限の利益喪失条項の3点に絞って簡単に解説します。

消費税

売買契約書では商品の金額、業務委託契約書や請負契約書などでは報酬の金額を契約書に記載しますが、消費税の有無も明記する必要があります。
消費税の有無を明記しなければ、消費税込みの金額であるのか、それとも消費税は別途必要であるのかについて、トラブルが生じてしまいます。

振込手数料

売買契約書、業務委託契約書、請負契約書、金銭消費貸借契約書などで代金の支払方法を銀行口座への振込とした場合、どちらが振込手数料を負担するかも明記する必要があります。
どちらが振込手数料を負担するかを明記しなければ、支払者が振込手数料を負担することで銀行口座への入金は契約書記載の金額になるのか、それとも契約書記載の金額から振込手数料を控除した金額が入金されるのかについて、トラブルが生じてしまいます。

期限の利益喪失条項

期限の利益喪失条項とは、契約当事者の一方が分割払いなどで支払期日(期限)を守ることにより得ていた利益(=猶予)を、ある一定の事由が発生した場合に失うことを定めた条項です。
分かりやすく説明すると、友人に100万円を貸して、返済条件は毎月末に10万円の分割払いとした場合、貸主は借主に毎月末に10万円しか返済の請求をすることができません。
例えば、借主が3ヶ月分30万円の支払いを滞納したとしても、貸主は借主に対して未払い分の30万円しか返済を請求することができません。
しかし、貸主としては、借主が3ヶ月分の支払を滞納すれば、借主のことを信用できなくなるため、残額を一括で返済する請求をしたいはずです。
このときに必要なのが、期限の利益喪失条項です。
具体的には、契約書に「借主が分割金の支払を怠り、その額が30万円に達したときは当然に期限の利益を失う」と記載しておけば、借主の滞納額が30万円になった時点で、残額を含めて一括で返済請求をすることができます。

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