示談交渉、裁判、強制執行の違い

本稿では、示談交渉、裁判、強制執行の違いについて、簡単に説明をします。

目次

示談交渉

示談交渉とは、相手と話し合いで解決をする手続です。

弁護士が行う示談交渉は、請求する側は相手に通知文書を送付し、請求された側は相手に回答文書を送付することで開始します。

弁護士は法律知識と裁判手続がわかるプロの専門家ですが、弁護士には法的強制力はありません。
法的強制力を有するのは裁判所です。

そのため、裁判をする前の示談交渉(話し合い)で解決するには、相手の同意が必要になります。
弁護士が示談交渉を行うメリットは、①弁護士が代わりに示談交渉を行うことで、自身の心理的負担が軽減されること、②法律に基づいて自分の意見を相手に伝えられるため、説得力が増すこと、③相手に対して、示談交渉で解決できなければ裁判に進むことになるという心理的プレッシャーを与えられることなどですが、どうしても相手がこちらの請求に応じない場合には、裁判をするしかありません。

裁判

裁判とは、裁判所が双方の法律上の権利・義務を確定させる手続きのことです。

裁判は、訴状を裁判所に提出し、裁判所がこの訴状を相手に送達することで始まります。
裁判は、1ヶ月~1ヶ月半ごとに、裁判所で自分の意見を口頭で述べるのではなく、自分の意見を記載した文書を提出することで進められます。
第一審の裁判は一般的に1年程度かかりますが、複雑な事件の裁判の場合は2~3年かかることもあります。

裁判所は、双方
が主張・証拠を出し尽くした後に、最後に尋問の手続を行ったうえで、判決をもって双方の法律上の権利・義務を判断します。
日本は三審制ですので、第一審での判決に納得できない場合には、控訴で第二審、上告で第三審と裁判が続きます。


裁判では判決とは別に、和解で裁判を終わらせる方法もあります。
和解とは、原告と被告がお互いに譲歩をして話し合いで裁判を終わらせる手続です。もっとも和解は、示談交渉と同様に相手の同意が必要です。

判決で裁判が終了したとしても、相手が悪い人間、またはお金がない人間である場合は、相手は裁判に負けても判決書に記載された金額のお金を支払わない・支払えません。
相手が裁判に負けたにもかかわらず判決書に記載された金額のお金を支払わない場合には、強制執行の手続をして相手の財産から強制的にお金を回収しなければなりません。

強制執行

強制執行とは、相手が裁判に負けたにもかかわらずお金を支払わない場合に、裁判所が判決書の内容を強制的に実現する手続です。

具体的には、強制執行には、①債権の差押え(相手の銀行口座の預貯金からお金を回収する手続や、勤務先から相手に支払われる毎月の給料からお金を回収する手続)、②不動産執行(相手が所有する不動産を売却して、その売却金からお金を回収する手続)、③動産執行(相手の自宅内にある現金や宝石などの財産を差押えて換価する手続)などがあります。

もっとも、相手が有する銀行口座や勤務先、不動産などの情報については、裁判所の手続を利用して自分で調査しなければなりませんので、さらに労力・時間・費用がかかります。

また、判決の時効は10年間ありますので、10年以内にいつでも即時に強制執行を行うことができますが、相手に本当に財産がない場合には、強制執行をしたとしてもお金を回収することはできません。
裁判所や日本の国家が判決書に記載された金額をあなたに支払うことはありませんので、ご注意ください。

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