中国人・中国会社と日本人・日本会社との法律トラブル

本稿では、中国在住の中国人・中国会社と、日本在住の日本人・日本会社との間の法律トラブルについて、簡単な解説をします。

日中間の国際裁判について

例えば、中国在住の中国人と日本所在の日本会社との間で法律トラブルが生じた場合、または、中国所在の中国会社と日本在住の日本人との間で法律トラブルが生じた場合、どちらの国の裁判所で訴訟提起すべきでしょうか。
すなわち、日中間の国際的な法律トラブルが生じた場合、日本の裁判所を利用すべきか、それとも中国の裁判所を利用すべきかについて検討しなければなりません。


結論から書くと、必ず、中国在住の中国人・中国会社を相手にする場合は中国の裁判所で、日本在住の日本人・日本会社を相手にする場合は日本の裁判所で、訴訟を提起する必要があります


なぜなら、日本と中国は、裁判所の判決について、相互の保証(民事訴訟法118条4号)をしていないからです。
具体的に説明すると、日本在住の日本人・日本会社が日本の裁判所で、中国在住の中国人・中国会社を相手に訴訟を提起して勝訴判決を得たとしても、その日本の判決に基づいて中国で強制執行をすることはできません。

つまり、日本の裁判所で勝訴判決を得たとしても、中国在住の中国人・中国会社が取引代金や賠償金などを任意に支払ってくれなければ、強制的に金銭を回収することはできません。勝訴判決を得てもただの紙切れとなってしまいますので、日本の裁判所で、中国在住の中国人・中国会社を相手に訴訟を提起しても法的意味がありません。

反対に、中国在住の中国人・中国会社が、中国の裁判所で、日本在住の日本人・日本会社を相手に訴訟を提起して勝訴判決を得たとしても、その中国の裁判所の判決に基づいて日本で強制執行をすることはできません。


以上により、必ず、中国在住の中国人・中国会社を相手にする場合は中国の裁判所で、日本在住の日本人・日本会社を相手にする場合は日本の裁判所で、訴訟を提起する必要があります

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