裁判の概要

本稿では、裁判の概要について、簡単な解説をします。

目次

第1 裁判の流れ

裁判所に訴状を提出すると、裁判所は1回目の裁判期日を1ヶ月~1ヶ月半後に指定した上で、訴状を被告(相手方)に郵送します。
訴状を受け取った被告は、裁判期日までに、答弁書(訴状に対する反論を記載した書面)を提出することになります。
2回目の裁判期日は、1回目の裁判期日の1ヶ月~1ヶ月半後に指定され、その期日までに原告(訴状を提出した者)は答弁書に対する反論を記載した書面を提出することになります。

このように、裁判は、1ヶ月~1ヶ月半ごとに行われ、原告と被告がそれぞれ順番に反論書面を提出することで進んでいきます。
なお、裁判は一般的に1年程度かかりますが、複雑な事件の裁判の場合は2~3年かかることもあります。

第2 裁判の終わり方(判決と和解)

原告と被告がそれぞれの言い分を出し尽くすと、次は証拠調べ(尋問)の手続に入ります。
尋問は、原告本人、被告本人、証人が裁判所の法廷で、自分の言い分を直接裁判官に伝える裁判上の手続です。

もっとも、尋問は、自分が言いたいことを好き勝手に話せるのではなく、依頼した弁護士の質問に答える形(主尋問)で言い分を述べることになります。また、主尋問の後には、被告の弁護士から質問を受ける反対尋問も行われます。
そして、裁判所は、原告と被告がそれぞれ提出した書面及び尋問の結果を踏まえて、判決を下します。


判決とは別に、和解で裁判を終わらせる方法もあります。和解とは、原告と被告がお互いに譲歩して話し合いで裁判を終わらせる手続です。
裁判は時間がかかる上に、尋問の負担もかなり大きいです。また、判決で勝訴したとしても、相手が控訴・上告をすれば、裁判はまだまだ続くことになります。
そのため、早期解決のために、原告と被告がお互いに譲歩し、条件を決めて裁判を終わらせることもできます。


条件は原告と被告がそれぞれ自由に決めることができますが、相手と条件が折り合わなかった場合は和解ができませんので、お互いの譲歩が必要になります。
なお、和解で裁判を終了させれば、控訴・上告はできませんので、紛争を完全に解決することができます。

第3 裁判にかかる費用(申立て費用、予納郵券、弁護士費用)

まず、訴訟を提起する際には、裁判所に申立て費用を納める必要があります。この申立て費用は、被告に支払いを求める金額に応じて増減します。例えば、被告に100万円の支払いを求める訴訟を提起する際の申立て費用は1万円ですが、1000万円の支払いを求める訴訟を提起する際の申立て費用は5万円になります。なお、この申立て費用は、訴状に収入印紙を貼って納めます。

次に、訴訟を提起する際には、裁判所に予納郵券を納める必要があります。裁判所が被告に訴状などの書類を郵送する際には、郵送費用がかかります。そのため、この郵便切手代金を裁判所に納める必要があります。予納郵券は、訴訟を提起する裁判所によって金額が変わります。例えば、大阪地裁では計5000円ですが、東京地裁では計6000円になります。

ご自身で訴訟を提起する場合は、上記の申立て費用と予納郵券しかかかりません。訴訟提起を弁護士にご依頼する場合は、別途、弁護士費用がかかります。なお、この弁護士費用は、裁判に勝っても被告に請求することはできません

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